新型インフルエンザ疑いという「汚名」
今新型インフルエンザ報道の中で最も世間の注目を受けているのは、「感染しているか、それとも感染していないか」ということではないでしょうか。「シロかクロか?」といった、まるで犯人を検挙する時のような表現が使われています。
すなわち、今回は弱毒性で通常のインフルエンザと変わらない病気があたかも天然痘レベルのとんでもなく恐ろしい伝染病として社会的なレッテルを貼られているのです。
実際本日の報道でも、都内の病院で発熱している患者の診療を断った、とありました。今回の新型インフルエンザに対するセンシティビティの高さは、一般国民だけでなく医療従事者にも及んでいます。
先日、国内初の患者か?と騒がれた横浜の高校生については高校名や実名も探し当てられています。患者のプライバシーをまったく考慮しない国や地方自治体の不用意な会見や発言が、今回の病気を既にスティグマ化しているのです。
今の状況下で、もし国内初の患者が発生したら、報道陣はその人の自宅に押しかけ、学校や職場など私的公的問わず個人情報がさらけ出されることになるでしょう。
その元凶をつくっているのが「検疫で一人も国に入れない!」と狂気のさたで騒いでいる厚労省です。このスローガンは「日本に1人でもカゼの患者が出たら日本は玉砕する」と言っているくらい愚かなのです。
かつて国は人にうつる危険もない病気であると知りながらハンセン病の患者を社会から切り離しました。患者だけでなく親族もです。ハンセン病の患者は子どもを持つことも許されず、その大きな傷は今まだ癒えていません。
今の厚労省の姿はかつてのハンセン病隔離を彷彿させます。
2009年5月5日