いつまで検疫を続けるつもりか?!
新型インフルエンザの勢いはメディアの興味と反比例する状況になっています。このままで行くと秋から冬にかけて季節性インフルエンザと混ざって大惨事になることも予想されます。この状況下で厚労省の医系技官は相変わらず検疫に重きを置いた対策に躍起になっているようです。
「検疫は新型インフルエンザ発生を少なくする」という仮説を立てるのであればその前に考えなければならないことがあります。米国公衆衛生局長諮問委員会が作った指標です。
1.関連の一致性(consistency)
違う国、違う時代でも同じ事が起こるか。すなわち検疫はほかの国や時代でもインフルエンザ対策に効果あるか?→ノー
2・関連の強固性(strength)
効果が定量的か。検疫やればやるほど新型インフルの患者は減ったか?→増えた
3特異性(specificity)
検疫やった国は新型インフルエンザが少なく、やらない国は多いか?→日本はトップ10に入っている。
4.関連の時間性(temporality)
原因→結果の順になっているか。検疫やったから新型インフルエンザが減ったか?→少なくとも減ってはいない。検疫強化中にどんどん増えていった。
5.関連の整合性(coherence)
既知の知識体系と矛盾しないか?→する。ペストでも水際封じ込めは無理だった。SARSでも検疫は効果なかった。
こうなってくると科学的に検疫の有効性を論じること自体無意味ということになります。なぜやるか、と言えば政治的理由かほかの何かがあるのでしょう。
今の日本に無駄な税金を使う余裕があるのでしょうか。そうであれば国内体制にお金を使うべきです。
以前病院で臨床医をしていた時小児科医の先生から言われました。
「当直で子供が熱を出していたらとにかく入院させてください」
それだけ子供の病気は急変しやすいものです。今や厚労省の政策で小児科医がどんどん減っているのです。その現実を少しはまじめに考えるべきではないでしょうか。
2009年8月15日