人の死を誰が決めるのか

臓器移植法案の改正案である「改正臓器移植法」が7月13日成立しました。
「脳死を人の死とする」を断定することにより、子供の臓器を
脳死の段階で移植できるために助かる症例が増えるという期待がもたれています。

しかし、はたして人の死に対して「脳死」という唯一の定規が使われても
良いものでしょうか。脳死状態となってからも肉体が生き続けている間は
個体の死と受け入れられない家族も多いことでしょう。

「脳死」の問題とは違いますが死亡診断書は医師が記載すると
不正確になりきちんとした死因統計がとれないから死因統計のプロが
死亡診断書を書くことを認めたらどうか、という問題に対して
国際会議で話し合ったことがあります。


「人の死を宣告できる職業が医師である以上、医師が死亡診断書を書くべきである。
もし診断書の質が悪いのであれは医師をトレーニングすることを考えるべきだ。人の死を統計の正確性と結びつけるのはおかしい」と発言したことがあります。

事例は違いますが今回の「脳死」も同じ問題を抱えていると思います。人の死が法律で定められれば医師という職業人の誇りとプロフェッショナリズムは大きく損なわれることになります。それは国民にとってはたして良いものかどうか考える必要があります。

もはや「神の領域」に届いている死の扱いについてあまりに議論が少なかった
と言わざるを得ません。

2009年7月14日