事業仕分けに思うこと

 
 行政刷新会議WGによる事業仕分けが世論を賑わせています。とても新しいことのように見えますが、実際は財務省主計局が行っている予算編成を公開で行っているだけです。

 予算決定のプロセスと、税金の無駄使いをなくすという意味では事業仕分けは意義のあることだと思います。しかし物事には良い面と悪い面が必ず存在します。

 大きな懸念は無駄をそぎ落とすことに躍起になり、必要なものまで削ってしまうこと、仕分けの対象とならなかったことが実は本当に無駄なこと、といったことが問題点として挙げられます。

 必要な部分まで削られかかっているのが診療報酬です。医療の部分だけは聖域化するな!という意見はもっともですが、これ以上診療報酬を削れば、国民が医療を受けたい時見てくれる医師はいなくなります。そして今のアメリカのように富裕層だけが現状レベルの医療を受けられるということになりかねません。国民の大多数がこうした状況を望んでいるかどうかは、政府が国民に問う必要があります。

 それから、仕分けの対象とならなかった事業についてはどうでしょうか。子ども手当、高速道路無料化など、国民の意見を反映しているかどうか疑わしい事項がマニフェストに含まれています。マニフェストは選挙の際の公約ですが、民主党に国民が投票したのはマニフェストに挙げられているすべての事項を国民が望んだというのは明らかな誤りです。ですから、マニフェストを事業仕分けの聖域として扱うのは問題でしょう。

 仕分けは切り落とす作業です。もちろん切らなければならない部分を削除するのは必要なことですが、事業仕分けが単なるパフォーマンスとなっては意味がありません。実際、事業仕分けは法的決定権を持たないのですが、世論的にはそれ以上のインパクトがあるかもしれません。

民主党に国民が望んでいるのは再生であり崩壊ではありません。それを期待して民主党が支持されたということを忘れないでほしいと思います。

2009年11月22日