地下水の高濃度汚染
地下水から基準の1万倍のヨウ素検出-福島第1原発 2011年 4月 1日 13:09 JST<【東京】福島第1原発の1号機近くの地下水から放射性ヨウ素が検出された。東京電力が31日に発表した声明によると、濃度は海水に関する国の基準の1万倍という。同社担当者は声明直後に測定が間違っている可能性があると述べ、4月1日にあらためて結果を発表するとした。
放射線量と、サンプルの採取日が30日であること以外はほとんど詳細を明らかにしなかった。サンプルは地下約15メートルから採取した。大気中の放射性物質が雨で地中に浸透したのか、大量放水の水が流れ込んだのかなど、放射性物質の出どころはわかっていない。
測定結果を説明した東電の担当者は、原子炉は固い岩盤の上に築かれたコンクリートの基盤上にあるため、原子炉から直接土壌に漏れたはずはないと語った。>(「ウォールストリート・ジャーナル)
高濃度の放射性ヨウ素は1号機のタービン建屋脇付近の「サブドレーン」にある地下水から検出された。1立方センチメートルあたり430ベクレルで法令基準の1万倍、通常運転時の原子炉内の水に相当するという。
サブドレインは建屋が地下水の浮力によって浮かないように排水する目的で、建屋を取り囲むように掘られた深さ12~14メートルの縦穴状の施設。今回の福島第1原発のように汚染水が流れ込むと、そのまま海に流れ込んでしまう危険性もある。>(「日経」)
サンプル採取の深さを報じているのは、この2紙のみ。 問題は現地の伏流水がどうなっているかだが、原発の立地条件を見ると西側に43mの丘があり原発建物は東向きに、海にぎりぎりに海抜13~8mのところに建てられている。地下20メートルまでの地下水は一般に「表層水」といい地上の汚染をもろに反映する。深さが10~15メートルの井戸を「浅井戸」という。危険な井戸だ。
地下構造がどうなっているかは、映画「ジュラシック・パーク」で出てくるように、小型のダイナマイトを爆発させてその反射波を映像として検出すればすぐわかる。映画では「バッドランド国立公園」(化石が露出しているので有名)の地下にある恐竜の化石を発見するのに古生物学者が用いていた。
東電関係者は「原子炉は第一岩盤の上にコンクリートを流して土台を作ったので、土壌から(その下の)地下水に漏れるはずがない」と言いたいのだろう。しかし第一岩盤の下にも土があり、その下に第二岩盤があり、その下にも伏流水(深層水)が流れている。ここまで掘った井戸は「深井戸」といい、通常、表土汚染とは無縁である。汚染される場合も相当時間がかかる。但し地震のため第二岩盤に亀裂が入ったとなると、話は別である。
「日経」が報じるのは原発周囲に深さ12~14mの「空井戸」が何本も水抜きのために掘られているということ。ここに出てくるのが表層水なのか、深層水なのか、原発敷地の地質学的構造データを明らかにしないと、「汚染地下水」の意味は明らかにならない。記事の質は読めば分かるようにWSJの方がはるかに高い。頑張れ日本のメディア。
-- 難波紘二
鹿鳴荘病理研究所
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「病気は自然の実験である」
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2011年4月2日